南米チリ北部アタカマ砂漠のチャナントール山山頂に
大型赤外線反射望遠鏡を建設する計画です。
東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センターが
同天文学専攻及び多くの大学・国立天文台などからの支持・協力
を基に進めています。
東京大学アタカマ天文台(TAO)計画
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日本での仮組み
まずは豊能郡能勢町にて、工事を行う予定で開始しました。
一度仮組みしたものをきれいにバラし、チリへ船で輸送。
現地で再度組み立てるという予定でした。
仮組みすることで現地での工期短縮、また、リスクを減らすことが
できると考えていました。
2018年1月29日 雪の中、鉄骨建設中
2018年4月10日 鉄骨が完成しました。いよいよ弊社の出番となります。
2018年6月6日 材料搬入が始まりました。
能勢町での工事を一段落させ、まずはチリに向けて
資材や道具・工具一式を輸送準備。
船で3ヶ月の旅へと送り出しました。
コロナ禍
2019年末から、新型コロナウイルス感染症が流行し、
弊社の屋根・壁施工は未定のままとなりました。
その間、弊社もコロナへの対策などに追われていました。
2022年秋頃から、チリでの鉄骨工事が
再び始まっていると連絡をいただくようになり、
弊社が請け負う屋根・壁工事の施工ができる目途が
立ってきたとのことでした。
チリへ自身と何名かの職人が行くことに現実味を帯びてくると、
会社の方は大丈夫かどうか。
標高5640mという環境での施工に対する不安も沸き、
社長の中の葛藤も大きくなってきました。
ただ、ここ数年、社員と共に社内環境を整えるべく努力してきたこと、
社員も増員できてきたことをプラス要因として捉え、
させていただけるという思いもありました。
熟考の中、とにかく一度自ら行き、
体験しないとわからないとの思いに至りました。
そして、視察の長い旅へ出発することとなりました。
2023年1月 チリ視察の旅へ
関空からドバイ経由でチリへ出発
関空~ドバイ 11時間-トランジット 3時間
ドバイ~サンパウロ(ブラジル) 15時間-トランジット 8時間
サンパウロ~サンティアゴ(チリ)4時間-トランジット 8時間
サンティアゴ~カラマ(チリ) 2時間
合計51時間の長旅でした。
エミレーツ航空
飛行機の中はとてもきれい。
ドバイの空港
11時間のフライトで疲れました。
ドバイ国際空港は世界一と言われるだけあって、本当に圧巻でした。
カラマ空港到着
ここですでに標高2700m。
やっと辿り着きました。
明るく振る舞っていますが、フラフラでした。
カラマ空港から滞在地へ車で移動
ひたすら砂漠を突っ走り、宿泊施設へ。
現地時間21:00
大きな犬が普通に歩いています。
野良犬だそうです。
滞在する宿泊施設の部屋
到着後、現地での初めての食事
ボリューミーな食べ物をビールと共に一気に食べてしまいました。
結果、、、軽い高山病になり、一晩は最悪でした。反省。
翌日、東京大学のTAO山麓施設へ行き、酸素ボンベの説明を受けました。
そしていよいよ建設現場へ…
ピックアップトラック
この車で標高5640mまでかけ上がります。
ガソリンスタンド
スタンド内のコンビニ
こちらで朝・昼ごはんなど調達します。
砂漠の中を1時間、ひた走りました。
標高5000mにある資材置き場
木のコンテナが並んでいました。
沢山の木箱から、弊社が送った資材や道具の入った木箱を探すことになります。
車から降りて、歩いてみました。
動きが遅く、階段を1段上がるだけで息が上がりました。
ここで血圧測定などのチェックを行います。
少しでも異常があると登ることができません。
1階部分の鉄骨が組まれていました。
1階の内側
鉄骨工事の進捗状況を確認。
写真のこの部分は能勢でも組んでいなかったため、初めて拝見しました。
まだ1階を建設中でしたが、着実に進んでいることを実感しました。
1階からの展望
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宿泊しているサンペドロ・デ・アタカマは観光地としても有名な所です。
人口5000人ほどの小さな街ですが、多くの観光客でにぎわっていました。
カフェもあります。
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2日目
東京大学アタカマ天文台 建設現場の視察を終えて、
2日目は、材料・工具・食料の買い出しができるお店の確認に向かいました。
ホームセンター
こちらで不足が出た場合の資材の補充ができるか。
万一、工具が壊れたりしたら調達できるかを確認。
日本と変わらない位、商品が充実していました。
スーパーマーケット
品揃えも良く、安心しました。
スーパーからの帰り道
月の谷に連れて行っていただきました。
月の風景に似ている所から、その呼び名がついたそうです。
空は青く、砂漠が広がり、すばらしい所でした。
最後の夜。満点の星空はとてもきれいでした。
2日間の滞在はあっという間でした。
また50時間以上かけ、日本へ帰ります。
帰国するにあたって東京大学の望遠鏡に携わっている方に同行して頂き
連れて帰って頂くことになりました。
その長い帰国途中の乗り継ぎの間に宇宙の事、本当にスゴイ望遠鏡の事等
熱く語って頂き、私自身もこのプロジェクトの一端に参加させていただく事を
心から望み、ワクワクする気持ちが止まりませんでした。
本当にありがとうございました。
また、滞在中お世話になった方々、本当にありがとうございました。
皆様に感謝申し上げます。